混声合唱組曲「命のパルス」


混声合唱組曲「命のパルス」 2010年増補改訂版(全5楽章)

  1. 宇宙(そら)よ
  2. 共有
  3. 甦る緑
  4. 命の言葉

作詩:美鶴

作曲:SEIGI

編成:混声4部合唱+ピアノ(div.あり)※第5楽章のみ無伴奏

演奏時間:3分25秒/3分/4分10秒/4分35秒/4分10秒(約19分20秒)

改訂年:2010年1月~2010年12月

 

オリジナルは2008年に発表。多種多様な形の「命」をテーマにした組曲。

2010年に改訂版を制作するにあたり、さらに1曲(第4楽章「命の言葉」)を書き下ろし増補しました。

さらに、2012年に楽譜浄書した際、組曲のタイトルを「命」から「命のパルス」へと改題しました。

 

一部改訂初演データ 「命」

2022年5月3日 鎌ケ谷市民会館 きらりホール

「SEIGI個展」にて

演奏:Tanto Harmonia

※作曲者立ち会いのもと、初演されました。

 

★組曲初演団体を募集中です。


Score

品番:SSP-G0013

出版:SSP出版

販売形態:製本版(無線綴じ)

ご注文から製本工程を経て、製本会社の発送による商品の到着まで、通常配送の場合およそ1~2週間程度かかります。なるべくお時間に余裕をもってご注文くださいますようお願い申し上げます。

*第5楽章「」のみ収載

品番:SSP-G0901

出版:SSP出版

販売形態:製本版(SEIGIア・カペラコーラスアルバム ベストセレクション Vol.1 [混声編])


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作曲者からのメッセージ

この組曲は、2007年12月から2008年2月にかけて作曲。まず、4曲(宇宙よ・共有・甦る緑・命)からなる組曲「命」として生まれました。作詩をされた美鶴(びかく)氏とはこれが初めての共同制作でした。2008年8月には、終曲を静岡県の浜松市立高等学校合唱団(指揮:平野知彦)の皆様が定期演奏会のアンコールで初演してくださり、作曲者立会いのもとでの演奏でしたが、大変感動的な素晴らしい初演であった事を今でも覚えています。そして、翌年2009年5月には、和歌山県のEnsemble Mikanier(指揮:阪本健悟)の皆様に全曲初演していただきました。

さて、この組曲の紹介をしようと思ったのですが、当時彼らの定期演奏会のパンフレットに、曲紹介として私が寄稿した文章があるので、それを一部転載させていただく事にします。

 

―― 全4曲は「命」というテーマで構成し、各曲には宇宙や人間、自然、そして生きとし生けるものと、それぞれ重要なシンボルがあります。現代社会において軽視されがちである多様な命の形を、身近な歌で表現する事によってもう一度見つめ直す。それはとても意義深いと思いますし、美鶴さんが書かれた詩の世界からもそれらを感じとる事ができるでしょう。――

(Ensemble Mikanier第2回定期演奏会、パンフレットより抜粋)

 

2010年に全楽曲の改訂版を制作する際、新たに「命の言葉」を書き下ろし、加えて全5曲の増補改訂版としました。また、2012年に楽譜浄書をした際、組曲のタイトルを「命」から「命のパルス」へと改題しました。

2012年8月

SEIGI

楽曲解説

  • 1. 宇宙(そら)よ
    宇宙に対して人間という生き物は弱くてちっぽけな存在である。そんな人間が広大な宇宙に問いかける。宇宙が生み出す存在や意義を…。曲は、人間と宇宙が互いに会話しているかのように交じりあい、複雑な空間を作り出す。新鮮な響きを必要とする曲だが、合唱曲というよりは一種のSoundとして感じていただくと嬉しい。曲中のヴォカリーズは、宇宙からのメッセージとして捉えてほしい。
  • 2. 共有
    「命がある喜びを共有して、人と人とが腕や肩を組んで歌いあう…。」この詩を読んだ瞬間、私はそんなイメージを持った。この喜びは、誰もが共有できるはずだ。明るく生き生きとした曲調にしたかったのと、先述のイメージを膨らませた結果、必然的にマーチ風になった。また、この曲は組曲の中でも一番テンポが速い。それこそ、歌い手も聴き手に元気を分け与え、共有できたら申し分ないと思う。練習番号【C】・【F】のMarchは力強くはっきりと。練習番号【H】からのMaestosoはテンポが遅くなる分、じっくりとなめらかに歌って、感動的に締めくくりたい。
     
  • 3. 甦る緑
    自然に対する祈りの曲である。冒頭部では「枯れ果てた」と、いかにも暗くマイナスな言葉から始まるヘ短調であるが、転調をくり返しつつ、終結部で「それは…緑」と、本当に大切なものに気づくシーンでは変イ長調になっている。このヘ短調と変イ長調は平行調の関係であることに注目してほしい!枯れ果てた大地が、輝く緑で覆われていくようなイメージで演奏していただきたいと思う。余談であるが、この「枯れ果てた」という言葉からくる曲のイメージに関して、初演指揮をされた阪本氏曰く、「練習する際は広島の原爆をイメージした。」と、当時話されていたのを思い出した。もちろん、そういう解釈もあるだろうが、答えは一つではないので、皆さん色々と話し合って、様々なイメージでもって練習に取り組んでほしい。是非、この曲を通して環境問題などにも目を向けてほしいと心から願っている。
  • 4. 命の言葉
    2010年12月に作曲。この曲のみ、後から書き下ろしで追加されたものである。詩の中には大切な“言葉”が詠い込まれている。希望、夢、そして今。巡り巡りて未来へ繋ぎゆく命の言葉は、きっと皆さんの心にも届くと信じている。最初は全パート共ユニゾンでメロディを歌い、曲が進むにつれてだんだんとハーモニーを構築していくというスタイルにした。ピアノ付きだが、もしかしたらア・カペラで歌っても効果があるかもしれない。スローペースな8分の6拍子、音取りもそんなに難しくないシンプルな作品なので、この曲に関しては中学生のクラス合唱でも気軽に取り組めるかと思う。
  • 5. 命
    この組曲の中で、唯一無伴奏(ア・カペラ)の曲である。冒頭部、楽譜には「祈りを込めて、厳かに」と記してあるので、この曲を表現する上での指針としてほしい。最初から最後まで常になめらかに演奏することを忘れずに。テンポが遅いので、ロングトーン等の練習をして息の流れを上手くコントロールできるように。少人数で演奏する場合は、カンニングブレスを有効活用して、ブレスの位置を各自で一考してほしい。この世に生まれくる新たな「命」と、無伴奏でハーモニーを作り上げる喜びを高らかに歌い上げていただきたいと思う。この世のすべての「生きとし生けるもの」への命の讃歌とならん事を切に祈っている。

解説 SEIGI

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