Home > Worklist > 混声合唱 > やがてくる時のために

作曲は2009年4月。4月は新たな船出の月ですね。この曲を作るうえでのコンセプト、イメージは、“新たな旅立ちに不安を感じる人の背中を、優しくそっと後押してくれるような曲”として書きました。序盤はしっとりと、サビでは爽やかな曲調となっています。

演奏のポイントとなるのは、曲中に数回ある“調性の変化（転調）”だと言えるでしょう。それは歌詞をご覧頂ければわかると思いますが、歌詞に登場する人物の個々の心理描写を、まるでグラデーションのように変化してゆく様を表現したかったからです。ただ単に、私が“転調魔”だからと言われればそれまでなのですが…。転調というのは、曲のイメージや背景、表情などを色彩豊かに変化させる事ができます。私が好んでよくやる手法の一つですが、“クラス合唱”となると話は別で少々難しいかもしれませんね。また、ポップスタイルなのでシンコペーションを多用しているのも特徴です。

拙作の中でも、とりわけ広く歌われつつある他の比較的簡単なクラス合唱曲に比べて、音取りや譜読みは少々大変かと思いますが、この曲もまた数多くの中高生の皆さんに愛していただける曲となる事を、作者として切に願っております。

2014年6月

SEIGI