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ひこうき雲(荒井由実)
作詞:荒井由実
作曲:荒井由実
編曲:SEIGI
編成:女声3部合唱+ピアノ
演奏時間:3分30秒
編曲年:2014年7月
委嘱初演データ
委嘱:合唱団イクトゥス
2014年10月19日/千葉市真砂コミュニティセンター 4Fホール
千葉市真砂コミュニティセンターふれあい祭り2014 (SeigiSoundFestival)
合唱:合唱団イクトゥス女声メンバー
指揮:辻本 薫
ピアノ:SEIGI
SSPコーラスアレンジシリーズ。
2013年、スタジオジブリ映画「風立ちぬ」主題歌。
品番:SSP-A5002
出版:SSP出版
販売形態:PDF
この曲は、元々は歌手・雪村いづみのために書き下された楽曲です。レコーディングもされたのですが、諸般の事情で発売されず、荒井由実(以下ユーミン)自身の歌唱によって世に出たとのこと。ユーミンとはまた違った味わいがあります。40年という時を経て、昨年2013年の夏に公開されたスタジオジブリ映画「風立ちぬ」の主題歌としてリバイバルヒットしました。その親しみやすい明るい旋律とは裏腹に、歌詞の内容は「死」を印象付けるものになっています。歌う際は、まず映画を観てイメージを高めるのがよろしいでしょう。この映画のキャッチコピーである「生きねば。」に通じるものがあると思います。さて、このたび私が日頃お世話になっている合唱団イクトゥスの皆様が、SSF(SeigiSoundFestival)という私の作品だけを集めたプチ個展を企画してくださり、その中の女声合唱ステージのための編曲委嘱を承りました。ピアノは私が弾かせていただき、会場にいらしたお客様より好評を得ることができました。素晴らしい初演をしてくださった合唱団イクトゥス女声メンバーの皆様と初演指揮の辻本先生に、この場を借りて感謝申し上げる次第です。
女声合唱アレンジをするうえで注意した点ですが、まずユーミンの歌い回しをすべて採譜しました。合唱アレンジすると普通は簡略化されて大抵お粗末になりますが、それをやってしまうとユーミンの曲の個性が生かせないわけです。また、主旋律は全パートにくまなく配置しています。合唱でよくありがちな“ソプラノだけに主旋律“なんてことは一切しておりません。主旋律が自分のパートに来たら、ユーミンになりきって、どうぞ伸び伸びとお歌いになってください。演奏上気をつけたいのは、主旋律より高い音で歌っているパートとの音量バランスです。例えば、練習番号G。ここのサビはメゾソプラノが主旋律で、ソプラノがさらに高い音で同じ言葉(歌詞)を歌います。ヴォカリーズであれば、そこまで意識する必要はありませんが、同じ言葉(歌詞)が与えられている場合、それは主旋律を掻き消す可能性があるということです。私は今回わざとこういう仕掛けを作りました。ここで「お互いの音を聴きあう力」が試されるわけです。ソプラノの音量を特別抑えなくてもいいと思いますが、念のため練習でバランスを要確認したほうがいいでしょう。そして、アレンジャーの頭を一番悩ませたのはキー(調性)でした。原曲は変ホ⻑調(E♭)ですが、主旋律を全パートへ配置したかったことをふまえると、あまりにも低すぎて合唱には向かないだろうという決断に至りました。指揮の辻本先生に事前相談した際に、「女声合唱ならば、シャープ系のほうが響きが良い。」と助言いただき、アレンジの方向性を固め、結果的にト⻑調(G)へ落ち着きました。
2014年12月
SEIGI